モビリティ

人の移動予測におけるパーソナライゼーション

ドイツで開催されたACM SIGSPATIAL HuMob Challenge(以下、本大会)において4位入賞いたしました。本大会では、主催者から提供された10万人の75日間の人々の移動データに基づき、未提供の2万人の15日の移動データを予測する課題に挑戦しました。本学のチームは個人の移動ログのみからその個人の移動を予測するパーソナライズモデルを提案しました。このモデルでは、予測精度に影響する特徴量として、移動先の施設数や活動時間に関する特徴量、移動履歴のクラスタリングなど様々な有効な特徴量を提案しました。人々の移動予測は、交通最適化や災害時の人流制御など様々な社会課題解決につながる技術です。引き続き、本学位プログラムでは、AIを活用した社会課題解決につながる研究活動を推進していきます。

大規模言語モデルを用いたシェアサイクルの需要予測

本論文では,大規模言語モデル(LLM)を用いたシェアサイクルの各ステーションの状況データから次の24時間の一時間ごとの利用可能台数を予測する手法を提案する.まず,シェアサイクルの過去データの言語化を行う.学習データとして,ステーションID,年月日,時間 (一時間毎),時間帯情報,曜日,平日休日祝日フラグ,気温,季節,天気予報,ステーションの場所 (緯度・経度),自転車置き場が設置されてからの経過日数,ステーションの地域への浸透度,一日の過ごしやすさ,風速・降水量表現,を結合したテキストデータを準備する.教師ラベルは,各ステーションにおける各時間のシェアサイクル利用可能台数であり,これを各学習データに付与する.そして,教師ラベルを出力するよう,大規模言語モデルBERTを追加学習する.本アプローチにおいて,機械学習による需要予測結果に比べ,BERTはRMSEが0.2程度向上した.この結果から,シェアサイクルの過去データを言語化し大規模言語モデルを追加学習することで,シェアサイクル需要予測に関する知識を獲得できる可能性を示した.